今回は
東洋医学を学びたいセラピストにおススメの1冊をご紹介。
その本がこちら。
「長生きしたければひじ下・ひざ下を押しなさい」
島田淑子著・島田力監修 ビジネス社
一般向けの本ですが
セラピストが知っておくといいこと満載です。
この本の特徴である
- ひざ下・ひじ下をアプローチする意味
- スーパーツボのご紹介
- ゆるゆる押し・グリグリ押しの使い分け
- 東洋医学的な痛みの種類と使い分け
などをご紹介します。
Contents
ひざ下・ひじ下をアプローチする意味
ツボはご存じの方が多いと思いますが
「経絡(けいらく)」
は知っていますか?
経絡とは
体表面から身体の中の六像六腑につながっている
エネルギーラインのことを指します。
身体の外側に出ている12本の経絡は、身体の中にも入っていって、
それぞれの担当する臓腑(内臓)につながっています。
その体表面を流れている経絡の上に乗っているのがツボ。
正式には「経穴(けいけつ)」と言います。
例えば
「このツボを押すと胃の働きを良くする」
こんなことを良く聞きますね。
これは、
- 胃に関連するツボを押す
- その刺激が経絡を通じて体内入る
- 胃に到達する
- その刺激によって胃の調子が整う
こんな原理になっています。
ツボも目に見えなければ
経絡も目には見えないので
まやかしのように思われがちですが
アジアを始め、欧米でも使われている
3千年続いてきたれっきとした医学に基づた考えです。
現在WHOが世界基準として認めているツボは、361個あります。
(ちゃんとWHOもツボを認めています)
この体表面にある361個のツボのうち
大切なツボを
「要穴(ようけつ)」と呼び
この要穴が集まっているところが、ひじ下・ひざ下なのです。
なので、東洋医学の治療である鍼灸治療でも
ひじ下・ひざ下のツボを使うことがとても多いのです。
また、この部分は自分でも触りやすい場所なので
セルフメンテナンスとしても
とても使いやすいし、効果も出しやすいですね。
かっさをする時は
この経絡をラインで刺激していきます。
今回は、この経絡上にあって大切な
スーパーツボについてご紹介していきます。
かっさで経絡をこする時も
このツボを頭に置いて刺激することで
効果UPが期待できます。
スーパーツボのご紹介
ひじ下・ひざ下にあって大切なツボ(要穴)は、
手に6個、足に6個あります。
例えば、合谷(ごうこく)。
このツボの効能は、便秘、目の疲れ、歯痛などいろいろありますが、
気の流れを良くするツボとしても有名です。
このツボ、大腸とつながりが強い経絡の上にあります。
だから便秘に効くんですね。
経絡の流れをたどっていくと、歯を通って、目にも行き着きます。
だから、目の疲れや歯痛に使っても効果的なんです。
気の流れを良くするって、なんだか良くわからないかもしれません。
気って、簡単にいうとエネルギーのことです。
ということは、足りないと元気が出ないのはわかりますよね。
でも、流れが悪いのも良くないんです。
気の流れが悪いと、メンタルの症状が出やすくなったりします。
何となくやる気が出ないとか
鬱っぽい気分とか
そんなときって、ときどきあるでしょう?
それって、気の流れが悪くなっているのかもしれません。
そういうときに、この合谷を押すといいんです。
そんなふうに効果絶大のツボが、スーパーツボです。
ゆるゆる押し・グリグリ押しの使い分け
ツボを押す時にどんな風に押していますか?
グリグリ押した方が効果がある
そう思っている人も多いのでは?
でもツボは、その時の症状に合わせて
ゆるゆるっと押した方がいい時と
グリグリっと押した方がいい時があるのです。
例えば、
手にある「合谷(ごうこく)」というツボと
足にある「三陰交(さんいんこう)」というツボ。
合谷を強めに(グリグリ押し)
三陰交を優しく(ゆるゆる押し)
すると「安胎(あんたい)」=妊娠中の胎児を安定させ
効果になります。
ですが逆に
合谷を優しく(ゆるゆる押し)
三陰交を強めに(グリグリ押し)
すると「堕胎の効果」があるとされています。
ですので
どんな時にどんなふうに押したらいいのか
その使い分けについてご紹介します。
①ゆるゆる押し「虚証(きょしょう)」
- 身体に何かが足りない時
- なんとなく不調の時
②グリグリ押し「実証(じっしょう)」
- 流れが停滞している時
- 強い痛みやコリがある時
ただし強い痛みの時は触らない方がいいこともあります。
こんな時は専門家に任せましょう。
東洋医学的な痛みの種類
東洋医学では痛みを様々な種類に分けて考えています。
ゆるゆる押しがいい時
①我慢できるくらいの鈍痛:「気」の不足
②温めると気持ちがいい、または痛みが楽になる:「冷え」が原因
③冷やすと気持ちがいい、または痛みが楽になる:「熱」が原因
グリグリ押しがいい時
①キリで刺されたような鋭い痛み:「血」の流れの停滞
②張ったような感じで痛い:「気」の流れの停滞
③重だるい感じで痛い:「水」の流れの停滞
だいたいの目安がわかったでしょうか?
さあ、まずは12のツボを
ゆるゆる押すのか
グリグリ押すのか
身体をよく把握して使ってみてくださいね。